ランダム・スーツの注文画面では、体型と号数を選ぶ。
Y:スタイリッシュなスマート体型
YA:スマート体型
A:ふつう体型
AB:がっちり体型
という感じで、現在の私はがっちり体型のAB体なのであった。くそう、やせてやる。
号数は、同ページに身長と胴回りを合わせて記載してある対比表が載っていたのだそれを見て選んだ。
その様子を後ろからのぞいていた妻が「ブラウン以外だといいね」という。
妻は結婚前から、私には茶色系統の色は似合わない、とことあるごとに言っていたのだ。
▲茶色は結構好きなのだが。
だが、私は茶色が結構好きだった。枯れ葉を身にまとう、さびしげなミノ虫。落ち着いた良い色ではないか。
私は、口では「そうだね」と答えつつ、いっそブラウンが来てしまえと願った。そうすれば「しょうがないなあ」とか言いながら、堂々と茶色のスーツが着られるのだ。
けどまあ、冷静に、そんなに茶色が着たいかと思うと、そうでもない。
なんでもいいけど、会社に着ていけないような変なスーツは来ませんように。
そんな願いをかけつつ、私は注文確定のボタンをクリックしたのだった。