小野不由美関連一覧(アマゾンドットコム)
屍鬼〈1〉 (新潮文庫)/![]() |
あらたにたてられたなぞの洋館と新しい住人の出現に前後しておこるある山村でおこる不審な死の連続。それは屍鬼による村の侵略の序章だった.本作は知られているように、S.Kingの「呪われた町」を日本の山村に設定を変えて、作り直されたものだ.恐怖が静かにはじまり。加速度的に広がっていく恐怖。人々の猜疑感。その謎に卑劣な手段をとってでも戦おうとする医師、敏雄と博愛主義者のため傍観者になる、さらには屍鬼の味方になってしまう僧侶、静信を対比させながら、生と死、食物連鎖、人の業というものを考えさせられる作品。多くの登場人物が絡み合いながら進んでいくストーリー展開はまさにキングの十八番であり、それをうまく利用している.しかし、屍鬼という存在が、吸血鬼でありながら、ゾンビであり、さらに生前の記憶を持って生き返ることで、非常に弱い存在でしかないところにいまひとつ恐怖感がない.また、このはなしは土葬が主体だった海外での文化、キリスト教的絶対神や宗教観が、ベースにあるため仏教の僧侶であるはずの静信のキリスト教徒的な発想や、小説中小説の形で語られる彼の心情が全く理解できない.城壁の中の閉ざされた楽園という設定は村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」でも出てくる西洋人的な発想だ。さらに、殺生はたとえ相手が鬼だとしても嫌だといいながら、自分も人狼になって屍鬼の親玉、しお子と逃げるシーンは滑稽でさえある.とてもよくできた小説だが違和感が強い。最後に大火により、村もほとんどの屍鬼もほろびるのだが、火葬にしちまえばいいのにと何回も思った. |
黒祠の島 (新潮文庫)/![]() |
夜叉島と言う邪教が支配する孤島を舞台にした作品。物語は調査事務所の式部が失踪した葛木と言う女性を追って、葛木の出身地の夜叉島に辿り着く所から始まる。島の住民は余所者に対して徹底的に閉鎖的で、特別な神事を行なっている事が冒頭で説明される。
島に着いた式部の目に夥しい風鈴と風車が映った。式部はまず民宿を訪れるが、閉鎖的な島に民宿がある事自体オカシイ。村には元網元で絶対的権力者の神領家があり、葛木と連れの女性麻理はその神領家へ行った事が島への宅配業者の口から示唆される。そして、式部は葛木の実家から最近のものと思われる大量の血痕を発見する一方、派遣医泰田から、数日前、神社の木に逆さに磔にされた全身焼け爛れの女性の全裸死体を発見した事を聞かされる。その形跡が完全に隠蔽された事も。麻理が神領家の当主の隠し子だった事も判明する。葛木の父、麻理の母が過去のほぼ同時期に殺害された事も。 しかし、このような無法状態の孤島で、葛木の捜索に来た式部が、身の危険を全く省みずに平然と捜査を強行する行動原理が不可解。無事でいられる方が不思議なのに、作者はこの矛盾に目を瞑っている。民宿の主人や老母や分家の当主が島の秘密をベラベラと喋るのも島人の設定を考えれば奇異。本来は式部が骨身を削って調べる所だろう。ご都合主義が過ぎる。「黒祀の島」と言う仰々しい題名の割には雰囲気作りも平凡の極み。第一、祭祀権を握る絶対権力者が支配する因習の島での本家・分家争いを中心とした因果譚や、守護の役割なんて既視感があり過ぎる。帯に「実力派の初の本格推理」とあるのが虚しい出来。これなら、濃厚な伝奇ホラー味に徹した方が作者の持ち味が出たと思う。狙いがサッパリ見えない凡作。 |
ゴーストハント(6) (講談社漫画文庫)/![]() |
やっと出た文庫版「忘れられた子どもたち」編
この回で全ての謎が明らかに!と盛り上がること間違いなし!なのですが 6巻は途中で終わり、次に出る7巻でフィナーレという形になっていますのであしからず・・・ で、その肝心の7巻なのですが発売予定がなんと2011年!! 最低でも一年は待たなくてはいけないようです 今回同様辛抱強く待つべし |
東亰異聞 (新潮文庫)/![]() |
まず、タイトルが「東京」ではないところに注目。
歴史上ほんとうにあったかつての東京では無い、あくまで架空の街が舞台です。 それだけに、ラストにはあっと驚くしかけが… しかし、私はこの作品の何よりの魅力は冒頭部にこそあると思ってます! 不思議な雰囲気、人ともモノノケともつかない不思議な「香具師」たち。 ホラーでもミステリーでもない独特の世界観に、 読み始めたら首までどっぷり!一気に!つかれます。。。 大好きな作家さんですが、 この一作はとくに好きです。 十二国記シリーズとはまた違った「小野不由美」を体感できますヨ。 |
魔性の子 (新潮文庫―ファンタジーノベル・シリーズ)/![]() |
著者の細かな心理描写、そして謎解き。 すごく面白かったです。 神隠しだとか、題材が良いものを使ったなと思います。 |
月の影 影の海〈上〉 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート/![]() |
初めて読んだのは13年前。それから半年間、一日も欠かすことなくシリーズを繰り返し読む毎日でした。
この作品の魅力は総てこの本から始まっています。 主人公の陽子は、ファンタジーの主人公にはおよそ似つかわしくない。 正義感もなく、信念もなく、勇気もない。 人の顔色を伺い、嫌われないように生きていくことに精一杯な人間。 読んでてこちらの胸が痛くなるほどリアルで、人間臭い主人公です。 そして物語の展開も読者の期待を良い意味で裏切ります。 異世界に連れて行かれてからも助けはなく、裏切られ傷付けられる毎日。 陽子に突きつけられる現実は辛く、悲しい言葉が続きます。 「友人、と呼んでいた誰もが実は友人ではないことなど、心のどこかでわかっていた」 「べつにおまえが消えたのが悲しいわけじゃないのさァ。自分の子供を亡くしたのが悲しくて、 そんな自分が哀れなだけさ。」 どん底の状態で、上巻が終わります。 「ここで終わらすか?」「ここまでやる?」と思いつつ、下巻を読まずにいられません。 人間の汚さ、暗さをファンタジーに見事に織り交ぜて、完璧な伏線を張り、下巻で見事に回収していく。 小野不由美の圧倒的な才能がこの本で分かります。 |
華胥の幽夢 十二国記 (講談社X文庫ホワイトハート)/![]() |
現代日本の女子高生が、異世界で王様をやる事になってしまいました。しかも命掛けで。
身も蓋もない言い方をするとそういうお話が本編です。これはサイドストーリー集。しかも傑作揃いの。 このシリーズを読んで「明日総理大臣にされちゃったら私どうするだろう」と考えちゃいました。 ネットやTVニュースを見ると、政治に対する不満が一杯。でも現実はとても低い投票率。何で? 現代ほど投票の自由が認められた時代はないのに。百年も経たないうちに、参政権の有難さを忘れちゃった? 投票したい政治家がいない?立候補者全員のマニフェスト比較しましたか? その上で自分に近い考えの人がいないなら、自分で立候補するしかないですよ。 …って言いたい!選挙に行かない人に!せめて白紙投票して!過半数が白紙なら問題になるから! 政治家とか芸能人とか、身元を晒している人を匿名で攻撃するのは簡単。 官僚とか警察官とか教師とか子育て中の親とかに、高い理想を課して非難するのも簡単。 でもその資格が自分にあるのか、その人以上のプランが示せたり活動ができたりするのか、 またできるのであれば、プライベートを投げ打って他人に尽くせるのか、ちょっと考えてみる。 これだけでネットがかなり平和な世界になると思うんだけどなぁ。 作品の中で差別されてる「半獣」を、現代日本においてだったら外国人とか、ハンディキャップのある人に置き換えてみるのもいい。 村上龍氏の「半島を出よ」に、「どんな悪徳政治家でも根本には『この国を良くしよう』という思いがある」みたいな記述があって、 少し気が楽になりました。当たり前の事なんだけど。投票が募金なら、立候補は全財産投げ打つ位の覚悟がいると思う。 「責難は成事に非ず」は、私の座右の銘になりました。 |
屍鬼 5 (ジャンプコミックス)/![]() |
原作ファンだったので
原作とコミックスは別物と聞いて手を出さずにいたのですが 屍鬼5巻の表紙に一目惚れして購入しました 本当に別物!という感想と同時に 漫画ならではのキャラの個性が目の情報から入ってくるという 新鮮さと驚きに一気に嵌ってしまいました コミックスの屍鬼、面白いです! |
屍鬼〈2〉 (新潮文庫)/![]() |
盛り上がりを見せる屍鬼、第二巻。
医者と坊主が必死で村に蔓延する異常事態を食い止めようと画策するが、それでも事態は拡がるばかり。 この巻にあって、主人公である清信と敏夫の関係がさらにわかり、また、裏に思う人間関係が露呈されていく。そういった意味で、この巻は登場人物のしっかりした顔見せ、という意味になるのだろうか。 |
くらのかみ (ミステリーランド)/![]() |
普通の内容でした。ジュブナイル向けなためでしょうか。
くらのかみの正体もわかりやすいし、出現の理由も曖昧模糊、意味不明な気もしました。 子どもが思い出しながら語る内容なのでまあ、こんなものかも知れません。 大人には物足らない感じの物語です。他の作家ならこんなに辛い点数付けなかったかもとは思います。 |